2009年12月19日土曜日

カナクギノキ(鉄釘の木)その2

裏山はすっかり雪に覆われてしまいました。降雪の合間に裏山に入ってみました。カナクギノキはこの寒さの中でも冬芽を大きく膨らませていました(2009.12.19 14:02撮影)。


枝先の冬芽は中央に紡錘形の葉芽、左右に丸い花芽をつけています(2009.12.19 14:01撮影)。


この写真を見ると、内藤大助を敗ってWBC世界フライ級王者になり、グラブの両手を振り上げている亀田興毅に、どこか似ているような気がして複雑な気分になります。

2009年12月16日水曜日

マンリョウ(万両)

不分裂ー対生ー鋸歯の常緑低木で、裏山ではヒノキ林内の林縁付近に繁茂する熊笹の中で見つけました。実は、昨年の熊笹刈り時に見つけていたのですが、一年後にはすっかり熊笹に隠れて見つけるのに時間がかかりました。見つけたマンリョウは背丈50〜60cmですが、立派な成木のようです(2009.12.16 12:05撮影)。


葉は長楕円形で、縁に特徴的な波状の丸い鋸歯があります(2009.12.16 12:01撮影)。



この時期、枝先に真っ赤な果実が散形状に下がっていて目を引きます(2009.12.16 12:03撮影)。マンリョウ(万両)はセンリョウ(千両)と同様に冬に赤い実をつけて美しく、しかも縁起が良い名前のため、昔から珍重されて正月飾り等に使われています。

2009年12月15日火曜日

クサイチゴ(草苺)

奇数羽状複葉ー互生ー鋸歯の落葉小低木で、裏山では主にヒノキ林内の林縁付近に雑草のように繁茂しており、この時期でもほとんど枯れないで緑色の葉をつけています(2009.12.15 15:17撮影)。


葉は3あるいは5小葉からなり、表裏ともに有毛で、縁には不明瞭ながらも不規則な低い重鋸歯があります(2009.12.15 15:16撮影)。


葉柄や茎には軟毛が密生しており、まばらに小さな刺があります(2009.12.15 15:16撮影)。


4〜5月頃にキイチゴ類としては比較的大きな白い花が咲き、5〜6月頃になるとこれも比較的大粒の赤い果実がなります。

2009年12月13日日曜日

コシアブラ(漉し油)

掌状複葉ー互生ー鋸歯の落葉高木で、裏山ではあちらこちらで熊笹から伸び出ています。枝や幹が上空に向かってまっすぐ伸びる樹形が特徴的です。
写真のコシアブラは隣りの山林との境界にある里道脇に生えていたものです(2009.12.13 13:22撮影)。


樹皮は灰白色でなめらか、冬芽は紫がかった赤褐色で、その頂芽は円錐形、すぐ下にある側芽は頂芽よりもかなり小さい円錐形です。また、葉痕が冬芽の周りを取り巻いています(2009.12.13 13:20撮影)。
コシアブラの新芽はタラの芽(タラノキの新芽)と並んで春の山菜として珍重されると言われていますが、わが家では“味にややクセがある”ということで、ほとんど食卓に上ることはありません。


「漉し油」と書くことを初めて知りました。山渓ハンディ図鑑4「樹に咲く花」によると、その名前の由来は「樹脂を漉して金漆(ごんぜつ)という、ウルシのような塗料をつくり、鉄のさび止めにしたことによる」そうです。

2009年12月11日金曜日

ビロードイチゴ(天鵞絨苺)

分裂ー互生ー鋸歯の落葉低木で、裏山ではその気で見るとあちこちに繁茂していて、ナガバモミジイチゴと同様に、ほとんどが下草刈り時に刈り取られています。写真のものは周りの熊笹を刈り取って意識的に残されたナガバモミジイチゴです(2009.12.6 13:43撮影)。


葉は長卵形で3浅裂するものもあります(2009.12.6 13:47撮影)。触った感じは忘れられないあのヤブムラサキの葉の触感と似ています。


ルーペで見ると、枝や冬芽、葉柄にビロード状の毛が密生しており、葉表にも毛が見えます(2009.12.11 10:36撮影)。


葉裏には主に葉脈に沿って毛が密生し、葉脈上に鉤形の刺が疎らについています(2009.12.11 10:36撮影)。


茎には多数の真直ぐ伸びた刺があります(2009.12.6 13:48撮影)。

2009年12月10日木曜日

タラノキ(楤木)

羽状ー互生ー鋸歯の落葉低木で、裏山では5年前の台風による強風でほぼ全滅したかつてのヒノキ植林地に林立しています(2009.12.10 9:53撮影)。本来なら分枝しない樹形にもかかわらず、分枝した樹形が多いのは間違ったタラの芽(新芽)採取法によるものと思われます。タラの芽採取においては、春、樹幹頂部に最初に出て来る新芽(タラの芽)だけを、樹幹を痛めないように丁寧に折り取ることにし、二番芽は絶対に採取しないことを肝に銘じております。


樹皮は灰褐色で、鋭く尖った刺が特徴的です。冬芽の頂芽は円錐形で、葉痕はU字形になっています(2009.12.10 9:53撮影)。

アカマツ(赤松)

針状ー束状の常緑高木で、裏山では植林されていたヒノキの多くが5年前の台風による強風で倒れました。アカマツはそのかつてのヒノキ植林地のあちこちに生え始めています。写真のアカマツは樹高2.5〜3m、出ている枝の段数から樹齢4年と推定される幼木です(2009.12.9 15:29撮影)。


枝先の冬芽が赤茶色で、葉先を触っても痛くないのがクロマツとのよい区別点だそうです(林将之著「葉で見わける樹木」参照)。また、葉はクロマツと同様に2本ずつ束になってついています(2009.12.9 15:31撮影)。


樹皮は赤茶色で、幹は不明瞭ながらも網目状で、すでに剥がれ始めています(2009.12.10 9:46撮影)。

2009年12月9日水曜日

アラカシ(粗樫)

不分裂ー互生ー鋸歯の常緑高木で、裏山に実生で生えた樹齢2−3年、樹高2mほどの幼木です。株立ち樹形で、地表から放射状に伸びた感じに見えます(2009.12.9 15:21撮影)。


葉は倒卵状の長楕円形で、シラカシよりも幅広のようです。先端部は尖っていて、先半部にやや粗い鋸歯があります(2009.12.9 15:22撮影)。


葉裏は淡緑色で、主として葉脈に沿ってやや黄褐色に見えます(2009.12.9 15:23撮影)。


ルーペで見ると、シラカシの葉裏にはほとんど見られない絹毛が密生しているのが判ります(2009.12.9 21:31撮影)。

シラカシ(白樫)

不分裂ー互生ー鋸歯の常緑高木で、5年前の台風による強風で倒れたヒノキ植林地の跡地に実生で生えた樹齢2−3年、樹高2.5mほどの幼木です。直幹で幼木でもすらりと伸びた感じに見えます(2009.12.9 15:36撮影)。


葉は細長い楕円形で先端部が尖っていて、先端側1/3に浅いがやや鋭い鋸歯があります(2009.12.9 15:36撮影)。


葉裏は“白樫”というほどは白くはない緑白色です(2009.12.9 15:38撮影)。“白樫”という名は、決して葉裏が白いことではなく、材が白いことに由来しているそうですね。


葉裏をルーペで観察しても、アラカシの葉裏に見られるような絹毛はほとんど認められません(2009.12.9 21:18撮影)。

2009年12月8日火曜日

クマイチゴ(熊苺)

分裂ー互生ー鋸歯の落葉低木で、裏山では日当りの良い菜園脇などにクマザサと一緒にあちこちに生えています。写真のクマイチゴは菜園脇のもので、日に焼けて赤褐色に紅葉しています(2009.12.8 10:49撮影)。


葉は一般には3〜5に浅ないし中裂するそうですが、写真の葉は5浅裂しており、その脇の葉には不分裂のものも見られます。長い葉柄に鉤状の曲がった刺が目立っています(2009.12.8 10:49撮影)。


葉裏を見ると、脈上に細毛と鉤状の刺が見られます(2009.12.8 10:55撮影)。


茎は赤紫色で太い刺が横にまっすぐ出ており、葉腋にある冬芽の両側に一対の副芽が見られます(2009.12.8 10:53撮影)。

2009年12月7日月曜日

スイカズラ(吸葛)

不分裂ー対生ー全縁の半常緑つる性木本で、裏山では主に林縁において、夏季にはヘクソカズラやヤマノイモなどと一緒に繁茂していますが、この時期にはこのスイカズラだけが葉を茂らせています(2009.12.6 14:05撮影)。このように冬でも寒さに耐え忍んで葉を緑色に保つことから忍冬(ニンドウ)とも呼ばれています。


葉は長楕円形で、この時期にはやや内側に巻いており、日に焼けて赤紫色に変色していますが、葉陰の部分のみが緑色を維持しています。枝には粗い毛が密生しています(2009.12.6 14:07撮影)。


小さな黒い果実が2個づつ並んで葉腋に付いています(2009.12.6 14:06撮影)。

ミヤマフユイチゴ(深山冬苺)

分裂ー互生ー鋸歯のつる性常緑小低木で、裏山では田んぼ脇の林縁や自宅裏手の枯れ沢など、やや湿った場所の日陰に繁茂しています。この時期でも緑の葉が茂り、赤い実が生っています。写真は枯れ沢に繁茂するミヤマフユイチゴです(2009.12.6 14:10撮影)。


葉は一般に卵形または広卵形で、浅く3〜5裂し、先端は尖っていて、縁に歯牙状の細かい鋸歯があります。写真のミヤマフユイチゴは浅く5裂しています。先端が尖っていることがよく似たフユイチゴとの違いのひとつで、先端が鋭角であればミヤマフユイチゴ、鈍角であればフユイチゴのようです(2009.12.6 14:11撮影)。


果実は集合果で、3〜5mmの小粒の果実がほぼ5粒以下でまとまって集合果となっています(2009.12.6 14:10撮影)。よく似たフユイチゴの場合、果実はさらに小粒で10粒程度の集合果になっています。


フユイチゴとミヤマフユイチゴの比較については、両種が自生している埼玉県飯能市南高麗ー原市場一帯の山地で以前に詳しく調べています。お薦めサイトに掲載の[冬いちごの研究(フユイチゴとミヤマフユイチゴの比較)]を参照願います。

ナガバモミジイチゴ(長葉紅葉苺)

分裂ー互生ー鋸歯の落葉低木で、裏山ではあちこち思わぬところに繁茂していて、そのほとんどは下草刈り時に刈り取られています。写真は熊笹の中から伸び出したナガバモミジイチゴです(2009.12.6 13:50撮影)。


葉は3〜5裂しており、不明瞭ながらも部分的に重鋸歯が見られます。寒さに強いようでこの時期でも未だ落葉していません。冬芽は紡錘形で赤みを帯びています(2009.12.6 13:49撮影)。


茎や枝は無毛ですが、まっすぐ伸びた刺があります(2009.12.11 10:43撮影)。


昨日(2009.12.10)Rさんより「黄色っぽい葉ですが、ふさふさしていて、他の画像と質感が違います。ビロードイチゴではありませんか」という貴重なご指摘のメールを戴きました。早速、現地に行って黄色っぽい葉のものがビロードイチゴであることを確認して来ました。Rさん、どうもありがとうございました。

2009年12月4日金曜日

オニツルウメモドキ(鬼蔓梅擬)

落葉つる性木本で、裏山では倒木や枯れ枝が煩雑に混み合っている場所に生えています。赤い種子が見え始めて、初めてその存在に気づきました。辺りには、ヤマフジ、クズ、アオツヅラフジなどのツルが繁茂して絡み合って、どれがどれだか判らない状態になっています(2009.12.4 12:07撮影)。


雌雄別株で、葉腋に短い集散花序を出して花をつけます。果実は黄色でほぼ球形(直径7〜8mm)の朔果、花柱の名残が細い角のようについています。黄色い果皮が3つに裂けて、中から赤い種子が顔を出します(2009.12.4 12:13撮影)。

イヌガヤ(犬榧)

針状ー羽状の常緑小高木で、裏山では自宅裏手の枯れ沢にある岩の間に、樹高1m程度のものが数本まとまって生えています(2009.12.4 12:09撮影)。


葉は幅約3mmで長さ2〜3cm、葉裏に2本の白い気孔帯が見られます。葉先は尖っていますが、触っても痛くないようです。雌雄別株でまれに同株だそうですが、写真のものは約10個の雄花がまとまって付いているほかに、よく見ると、それぞれの枝先に雌花(あるいはその蕾)が付いています(2009.12.4 12:10撮影)。


樹皮は暗褐色で、短冊状にペラペラ剥がれそうです(2009.12.4 12:11撮影)。

クリ(栗)

不分裂ー互生ー鋸歯の落葉高木で、裏山では5年前の台風による強風で倒れたヒノキ植林地の跡地のあちこちに生えています。写真の木には毬栗が未だ落ちないで残っています(2009.12.4 13:16撮影)。一般に「桃栗三年、・・・」と言われているので、この木の樹齢は3年以上5年以下ということでしょうか。


葉は枯れたまま未だに散らないで残っています(2009.12.4 13:19撮影)。鋸歯の先端まで緑色なのがクリの特徴のようですが、残念ながら枯れ葉では確認の仕様がありません。


葉腋を見ると、丸みを帯びた小さな冬芽が付いていました(2009.12.4 13:27撮影)。林将之著「葉で見わける樹木」によると「栗の実に似ている」そうですが、栗の実に似ているか否かはともかく、こんな形の冬芽がクリの特徴でもあるようです。

2009年12月2日水曜日

ヤツデ(八手)

分裂ー互生ー鋸歯の常緑低木で、ヒノキ林の林床、アオキの幼木のすぐそばで偶然見つけた、これも幼木です(2009.12.2 14:57撮影)。実生で生えたばかりのようで、葉は未だ4枚しかありません。庭木のヤツデの実が野鳥によって運ばれたようですね。


林将之著「葉で見わける樹木」によると、葉は径20〜40cmと大きく、ふつう7〜11裂だそうですが、写真のヤツデは径10cm程度で、5裂です(2009.12.2 14:57撮影)。